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■月★日
本日は火急の用で、アル・カポネ様の別荘をお尋ねして参りました。
突然なんのご連絡かと思いきや、坊っちゃまとお仲間の方々が大怪我をされたと言うではありませんか!
取るものもとりあえず駆けつけますと、ベッドに腰をかけた坊っちゃまのお姿が。
幸い、お怪我の方は大したこともなく、すでに次なる旅立ち−南米への出立の準備を終えられているとのこと。
もっとも、そんなことを知らなかった私は、年甲斐もなく号泣してしまったわけですが…
実は先の連絡を受けた際、不安と心配の中にほんの少しだけ、よこしまな期待を抱いておりました。
これを機に、危険な旅などやめてくれるのではないか、と。
しかし、坊っちゃまにはそのようなお考えはなく、そうするのが当然だと言わんばかりに旅が続くことを私めにお告げになりました。
その時の坊っちゃまのお顔には、わずかながら、風格めいたものが漂っていたように思えます。
最早、私ごときが口を挟める話でもないのでしょう。
当分は事務所で留守を守る日々が続きそうですが、いずれ坊っちゃまは、大きく成長して戻っていらっしゃることでしょう。
それを楽しみに、今しばらくは退屈な日々に身を任せるといたしましょうか…
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「レニ日記」は、これで終了です。
ストーリーの続きは、本編でお楽しみください!